接着剤とその塗布について
接着剤のロールコート
- ジェイハニカムズではパネル数量に関係なく、すべての表面材はロールコーターで塗布を行います。
- 接着剤をロールコートするため、手塗りなどで発生する塗布ムラ、塗布モレなどがありません。
- ロールコーター自体は目新しい技術ではありません。しかしアルミハニカムパネルの表面材へ接着剤を塗布する場合、エポキシ接着剤をある一定以上を塗布しなくてはなりません。そうしないと塗布量不足で、均一で強固なフィレットができず接着強度不足となります。そのため手塗りで塗布量を稼いでいるメーカーもあります。
- ロールコーター塗布で塗布量不足とならないように、特注ロールや塗布専用治具を開発しております。また、塗布工程にもノウハウを有しています。
- 当社のアルミハニカムパネルを引き剝がすと、アルミハニカムコアからの「せん断破壊」となります。これ以上の接着強度とするためにはアルミハニカムコアの箔厚を増すしか方法はありません。
- 接着工程は基本的にお見せしておりませんが、接着剤塗布後の塗布量確認サンプルや塗布面画像を提出することは可能です。
接着プレスについて
高精度ホットプレス
- ジェイハニカムズでは高精度ホットプレスを接着に用いています。このプレスはアルミハニカムパネル専用に開発し、常温から200℃までを任意に設定、加圧力、加温時間のステップコントロールが可能です。
またプレス定盤は高精度に研削してありますので、このプレスで接着したハニカムパネルの平面度は非常に高いものとなります。また、加熱時の減圧を感知し自動的に加圧力をコントロールしています。 - 加熱温度と時間を細かくコントロールできるので、航空宇宙用のシート状エポキシ接着剤や、熱可塑性シート接着剤、高耐熱用シリコーン系接着剤も使用可能です。
- 高圧、高精度接着で接着層が少なく、アルミハニカムパネルごと、アルマイトやメッキが可能となります。
- 耐熱性能の高い接着剤を使用できるので、実績ベースでは230℃の環境で当社のアルミハニカムパネルが使用されています。
- 接着可能サイズは150×1300×2600mmで段数は3段となります。
- 1枚ずつ接着プレスに投入した場合は1300×2600は3枚しか接着できませんが、1段のストロークが150mmあるので、アルミハニカムパネルを積層すれば接着数量を増やすことが可能です。
- 加温コントロールが正確でプレス定盤に熱ひずみ対策が施してありますので、約1時間で当社のアルミハニカムパネルは通常の接着強度にもっていけます。このことは短納期、低コスト生産に寄与しています。
アルミハニカムコアのトリミング
ハニカムコア専用トリミングマシン
- 内部が複雑なアルミハニカムパネルの場合、専用のトリミングマシンでハニカムコアをカットします。鋏や包丁では切ることができない複雑な形状を高精度にカットできます。
- アルミハニカムパネルの製造時に注意すべき点として、枠材やインサートブロックとアルミハニカムコアの隙間は非常に重要です。ここの精度がしっかりしていないと、平面不良、通電不良、歪み、強度不足などさまざまなトラブルが発生します。
- パネル内部に最小限の材料を正確にレイアウトし、シビアな位置管理ができるのもこのトリミングマシンを使うメリットです。こうすることで本当の意味で最小限の材料でのアルミハニカムパネルが製作可能となります。
- このトリミングマシンは吸着パネルなどの吸着孔や接着剤を塗りたくないポイントのマスキングにも利用します。あらかじめ貼っておいたマスキングシートを高精度にカットすることで、リーク、穴埋まりなどの不良を防止します。
- トリミング工程は基本的にお見せしておりませんが、アルミハニカムコアのカットサンプルや接着前のセッティング画像は提出できます。
マシニングセンター加工
門型マシニングセンター
- 当社のアルミハニカムパネルはすべて2台あるマシニングセンターで加工しています。
- アルミハニカムパネルを加工する際の段取り替えを少なくするため、専用の吸着定盤を製作し、機械本体へも改造を施しアルミハニカムパネルを加工しております。
- 同じマシニングセンターを2台運用していますので、ひとつのプログラムで2台同時に加工ができます。それぞれの機械用にオペレーターを配置したりプログラム作成や管理をしないことは低コストにもつながっています。
- 接着技術を活かし、複雑な枠抜き加工なども治具なしで加工できます。
- アルミハニカムパネルの平面度を上げるため、購入したアルミハニカムスライスをフライス加工するのも2台のマシニングセンターで加工します。
- 吸着パネルの表面材に使われるアルミ板やステンレス板は1.0~2.0ミリ、吸着穴径はφ0.5~2.0となりますが、当社はマシニングセンターで薄板を5~10枚重ねて穴あけすることができます。このことにより吸着パネルにおけるコストの大部分を占める穴加工賃が安くできます。
- 接着プレスの項でも記載しましたが、当社では接着したアルミハニカムパネルごとにアルマイトやメッキ、焼付塗装ができます。この技術を使い接着後のパネルをマシニングや研削盤等で平面研削し、その後の表面処理が可能となります。
- アルミハニカムスライスへの通気孔、通気溝加工もこれらのマシニングセンターで行っています。
- 当社のマシニングセンターはOKK製 VP1200-30Lとなります。主軸回転数は20000回転、加工サイズは150t×1300×3000です。
- 他のアルミハニカムパネルメーカーで使用されている木工機と比較して、段取り時間は同等ですが、加工精度は10倍以上、加工時間は1/3以下となっています。(社内調べ)
検査と品質保証
アルミハニカムパネル加工後の検査と品質保証
- 1000mm角以上のアルミハニカムパネルの穴位置や平面度の検査方法は、マシニングセンターの機上でタッチセンサー測定となります。
- サイズが小さいモノは1300角の石定盤上での平面検査を行います。
- 検査方法、検査数量、検査表などの取決めは発注時までに打合せが必要です。
- 納品後は速やかに受入検査をお願いいたします。受入れ検査で不合格となったモノで、当社に責任があった場合はすぐに再製作をおこないます。
- 見積時に取決めた使用方法での接着剥がれについては100%保証します。